間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化には、転写因子Runx2とSp7の両者が必須である。ヒト及びマウスのRunx2ヘテロ変異は、頭蓋の泉門の開大、鎖骨低形成等を主徴とする鎖骨頭蓋異形成症を引き起こす。Sp7 ノックアウト(ko)マウスでは、頭蓋冠領域に骨芽細胞は存在しないが分厚い間葉系細胞の凝集を認めた。一方、Runx2 koマウスでは、間葉系細胞の凝集も認めなかった。Wnt、ヘッジホグ、Fgf、Pthlhシグナル分子の発現が、Sp7 koマウスに比しRunx2 koマウスの頭蓋冠で低下していた。また、これらの分子の発現は、野生型マウスに比しRunx2ヘテロ変異マウスの頭蓋冠でも低下していた。
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