脳内のセロトニン(5HT)生合成は,律速酵素トリプトファン水酸化酵素の補酵素テトラヒドロビオプテリン(BH4)量により調節される。ドーパミン(DA)も同様である。BH4の前駆体であるセピアプテリン(SP)をマウスに末梢投与したところ,脳内BH4,5HT,DAとその代謝産物は経時的かつ容量依存的に増加した。5HT合成能を持つ培養細胞にSPを与えると,5HT合成が促進されたが,同等の効果をBH4で再現するにはSPの数十倍の濃度が必要であった。また血液脳関門モデルにおいて,SPは実用的な透過を示した。これは,投与されたSPのすべてが末梢でBH4に転換せず,一部がSPのまま脳内に到達したことを示した。
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