研究課題
若手研究(B)
口腔扁平上皮癌69例において免疫染色におけるスフィンゴシンキナーゼ1(SphK1)発現と浸潤および予後との関連性を検討した。腫瘍浸潤先進部において38例にSphK1高発現を認め、さらに高い浸潤能を示す浸潤様式と一致してSphK1の高発現がみられた。また予後に関しては、高発現群が有意に予後不良であった。これらの結果から口腔扁平上皮癌におけるSphK1高発現は浸潤および予後に関連することが示唆された。
口腔がん
SphK1の高発現が強い浸潤能を示す口腔扁平上皮癌と一致してみられた。SphK1は独立した予後決定因子ではなかったものの、臨床的に生命予後へ影響を及ぼすと考えられる転移の有無と関連性がみられた。SphK1高発現が口腔扁平上皮癌の腫瘍進展を評価するうえで重要な客観的因子となり、また生命予後を推測し得る可能性が考えられた。以上のことからSphK1高発現は、口腔扁平上皮癌患者の適切な治療選択の指標に役立ち、さらに治療抵抗性患者に対する今後の標的因子となり得る可能性が示唆された。