アブフラクションのメカニズムを解明するため,脱灰とマイクロクラックの進行の関係について3次元的に非破壊で観察可能なマイクロCTを用いて検討を行った.NCCLを有する小臼歯を脱灰後,マイクロCTおよびSEMを用いてミネラル変化およびクラックを解析した.脱灰後,歯冠側面やCEJ下の顕著なミネラル低下が認められ,クラックの長径および幅径は有意に増加した.SEM像とマイクロCT像の同部位にクラックを観察した.これらの結果,クラックに沿って脱灰が進行することが示唆された.また,マイクロCTはクラックを非破壊で3次元解析できる点で有利であり,アブフラクション解析モデルに有用であることが示唆された.
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