研究課題/領域番号 |
16K20464
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
春山 亜貴子 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30385174)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Er:YAGレーザー / 接着強さ |
研究実績の概要 |
本研究では,Er:YAGレーザー照射歯質の性質・性状改善とレーザー照射歯面専用の修復材料開発を目指すため,①各種接着システムや修復用材料によるレーザー照射面への接着性の検討,②親水化処理などによるレーザー照射歯質の改質とその接着性向上効果の検討,③レーザー照射歯面専用のレジン接着システムと修復材料の新規開発を行うことを研究計画として掲げ,特に初年度は①について検討を行っていく予定とした. まず,Er:YAGレーザー照射時のパワー密度を確認するため,レーザーパワーメーターおよびセンサーを購入,計測および実施環境の整備に費やした.また,各種接着システムの粘稠度の計測を開始した. ①の研究に先立ち,まず405nm半導体レーザーで活性化した漂白剤を髄腔内に応用後のコンポジットレジンとの接着強さについて検討した.牛歯髄腔内に2タイプの漂白剤を応用後すぐに,1ステップまたは2ステップのセルフエッチングプライマーシステムを用いてコンポジットレジンを接着した.その結果,二酸化チタン配合3.5%過酸化水素で漂白後では,1ステップより2ステップで高い接着強さを示した.また,漂白剤を応用していない象牙質では1ステップと2ステップとの間に統計的な有意差は認められなかった.30%過酸化水素での漂白後に接着操作を行った場合,接着システムの種類に関わらず接着できなかった(Haruyama A, et al.Resin bonding of self-etch adhesives to bovine dentin bleached from pulp chamber. BioMed Research International 2016;1313586).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
レーザーの照射条件を統一するにあたり,レーザーパワーメーターを用いた先端出力の計測は不可欠である.われわれは,当初本学所有のレーザーパワーメーターを使用する予定だったが,先端出力の測定が出来なかったため,新規に購入する必要が生じた.急遽,条件に見合う製品の選定にとりかかったが,当初予定していた以上の時間がかかり,その結果,本実験の開始時期がずれこんでしまった.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,平成28年度に行う予定であった研究のうち,いまだ検討が終了していないものについて検討を行うとともに,平成29年度に予定している②親水化処理などによるレーザー照射歯質の改質とその接着性向上効果の検討についても同時に着手していく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験遂行にやや遅れが生じたため.
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度以降に遂行予定であるレーザー照射歯面専用のレジン接着システムと修復材料の新規開発にあたり,複数の接着関連器材や修復材料,実験用試薬などを追加購入する予定である.
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