研究課題
本研究では,Er:YAGレーザー照射歯質の性質・性状改善とレーザー照射歯面専用の修復材料開発を目指すため,①各種接着システムや修復用材料によるレーザー照射面への接着性の検討,②親水化処理などによるレーザー照射歯質の改質とその接着性向上効果の検討,③レーザー照射歯面専用のレジン接着システムと修復材料の新規開発を行うことを研究計画として掲げた.①においてはH28~H29年度にかけ,レーザー照射条件の設定とレーザー照射時のパワー密度の確認,ウシエナメル質ならびに象牙質研削面の設定ならびに予備実験を行った.H29年度後半では,研究計画②を検討するため、ハンドピースのメインテナンス用スプレーで噴霧した歯質に家庭用洗剤を応用後,光重合型セルフエッチングシステムでコンポジットレジンを接着を行った結果,接着強さが向上する可能性が示唆された.H30年度では,ウシエナメル質ならびに象牙質研削面に対してEr:YAGレーザー照射後,各種接着システムを応用した際のコンポジットレジンとの接着強さを検討した.レーザー照射,非照射エナメル質・象牙質研削面に対する接着強さは,ともに1ステップセルフエッチングプライマーに対して2ステップセルフエッチングプライマーシステムで高い結果となった.また,親水化処理の有効な方法を模索するため,修復材料に対してプラズマ処理やUV照射を応用した際のコンポジットレジンとの接着強さについて検討したが,2つの処理法ともぬれ性ならびに接着強さの向上は認めなかった.H31年度では,接着システムの各種接着システム材料の特性を発揮するための方法を模索するため,歯科用接着剤に含有される溶媒の影響を検討した.その結果,1ステップセルフエッチングプライマー接着システムでは,ボンディング剤に含有される親水性モノマーや残留溶媒により機械的強度に影響を与える可能性があることが示唆された.
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Applied Adhesion Science
巻: 7 ページ: 4-4
10.1186
Asian Pac J Dent
巻: 19 ページ: 51-57