本研究では、BMP-1存在下のヒト歯髄培養細胞においてlectin arrayによる網羅的解析から明らかになった糖鎖構造の変化すなわちグライコームシフトに焦点を当て検討を行い、細胞膜画分におけるN-acetylgalactosamine修飾が亢進する一方で、α2,6-sialic acid修飾が減少することを明らかにした。 以上の結果は、歯髄・象牙質複合体においてBMP-1がプロテアーゼとしてcollagenや象牙質特異的なタンパク質の成熟に関与するのみならず、細胞膜上のタンパク質の糖鎖修飾にも関与することを示唆しており、糖鎖を標的とした新規覆髄剤の開発に寄与すると考えられた。
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