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2016 年度 実施状況報告書

感染根管治療のための大気圧低温プラズマによる無菌化グレードの新規殺菌技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K20471
研究機関鶴見大学

研究代表者

山崎 弘光  鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (20609929)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードプラズマ医療 / 感染根管モデル / 感染歯質モデル / 殺菌効果
研究実績の概要

本研究は、大気圧低温プラズマおよびプラズマ処理水を用いた感染歯質を完全に殺菌できる新たな治療技術の開発を目標とし、感染歯質モデルおよび感染根管モデルを用いた口腔病原微生物に対する殺菌効果の評価を行い、臨床応用の可能性を評価することを目的とした。本年度は以下のような検討を行った。
1、感染歯質モデルを用いた大気圧低温プラズマ照射による殺菌効果の検討:口腔内細菌として難治性根尖性歯周炎罹患歯から検出されるされているEnterococcus faecalis, Candida albicansの基準菌株を、ヒト抜去大臼歯スライスの象牙質および象牙質比重レベルに焼成したハイドロキシアパタイトペレットに接種・培養し感染モデルとし、大気圧低温プラズマを照射した。殺菌効果の評価は細胞の呼吸活性を検出するRedox indicatorの酸化型と還元型の量比をHPLCにより検出し、照射時間を決定した。その条件での試験結果から、どちらの系でも検出限界以下となり、有効性が示された。
2、感染根管モデルを用いた大気圧低温プラズマ照射による殺菌効果の検討:ヒト抜去前歯を抜髄、根管拡大後、E.faecalis, C. albicansを接種して培養し、感染根管モデルを構築し大気圧低温プラズマ照射し殺菌効果を評価した。評価ポイントは照射後の再培養し検出限界以下であることを判断する濁度判定で行ったが、検出限界以下の結果が得られたものは半数程度であった。
以上の結果から、径の細い根管および細管では対流現象が起こりにくく、プラズマ直接照射により生成される活性種が行き届かないものと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた二項目1)感染歯質モデルを用いた大気圧低温プラズマ照射による殺菌効果の検討および2)感染根管モデルを用いた大気圧低温プラズマ照射による殺菌効果の検討を概ね完了し、順調に進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

感染根管にはプラズマ直接照射により生成される活性種が行き届かないものと考えられたので、それを解決するために活性種を濃縮方法で作成するプラズマ処理水の殺菌効果を検討する。また、in vitroに加え、実験動物での感染モデルで検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者は学会発表しなかったため、旅費の使用がなかったことと、培地作成や微生物の前培養などの作業を依頼するため謝金を支払う予定であったが、研究協力者等の支援により謝金の使用がなくなったため。繰越額として29年度に使用する予定である。

次年度使用額の使用計画

プラズマ処理水を作成し、感染根管モデルで殺菌試験を行う予定であるが、その前段階として使用微生物に対するプラズマ処理水のMIC、MBCを試験管内で測定する必要性が考えられるので、追加項目として試験を行い、その費用に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Efficacy of Plasma-Treated Water in Root Canal Disinfection2016

    • 著者名/発表者名
      Kaname Yamamoto, Tomoko Ohshima, Katsuhisa Kitano, Satoshi Ikawa, Hiromitsu Yamazaki, Noriyasu Hosoya, Nobuko Maeda
    • 学会等名
      94th General Session & Exhibition of the IADR
    • 発表場所
      Seoul (Korea)
    • 年月日
      2016-06-22 – 2016-06-25
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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