研究課題
ラット露髄モデルへの直接覆髄による材料周囲組織の応答解析とマウス皮下組織埋入実験および各種セメントに対する培養細胞の応答解析行い以下の結果を得た。①ラット露髄モデルへの直接覆髄実験として、8週齢の雄性Wistarラットの右側上顎第一臼歯を露髄させ、2Mリン酸二水素ナトリウム水溶液を練和液としたα-TCP/Te-CP 混合セメントあるいは比較対照としてMTAセメントや水酸化カルシウム製剤を填入する群を作製し覆髄部での組織の応答を経時的に検討したところ、覆髄後7~14日で、α-TCP/Te-CP 混合セメント覆髄群に被蓋硬組織形成がみとめられ、直接覆髄後の覆髄部での歯髄組織の反応として、炎症反応の有無を解析するために覆髄後7~14日でCD68等、マクロファージマーカーと炎症の有無を検討したところ水酸化カルシウム製剤覆髄群では覆髄7日後で炎症反応が顕著にみられたのに対し、α-TCP/Te-CPセメント覆髄群では炎症反応はみとめられなかった。②2Mリン酸二水素ナトリウム水溶液を練和液としたα-TCP/Te-CP 混合セメントの歯髄由来幹細胞、線維芽細胞を用いた培養系での評価を行ったところ、水酸化カルシウム製剤からの溶出物を含む培地で培養した細胞では細胞増殖が阻害され、骨芽細胞分化マーカー、象牙芽細胞マーカーの発現量に顕著な変化は見られなかったが、α-TCP/Te-CPセメントからの溶出物を含む培地は細胞増殖を阻害せず、コントロール培地と同等の細胞増殖性を示し、また、MTAセメントと比較して、α‐TCP/Te-CPセメントからの溶出物を含む培地は骨芽細胞マーカーであるアルカリホスファターゼやオステオカルシン、象牙芽細胞マーカーでもあるDMP-1のmRNA発現量が顕著に増加し、α-TCP/Te-CP セメントが硬組織形成細胞への分化誘導能を有することが示された。
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