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2018 年度 実施状況報告書

破骨細胞‐骨芽細胞間クロストークを賦活化する骨再生治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K20482
研究機関東北大学

研究代表者

塩飽 由香利  東北大学, 歯学研究科, 助教 (80736190)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード破骨細胞 / 骨芽細胞 / クロストーク / リン酸カルシウム
研究実績の概要

本研究では,破骨細胞から分泌されるカップリング因子による骨形成促進に着目し,分子生物学,細胞生物学,組織学的な手法を駆使して,バイオマテリアル上における破骨細胞‐骨芽細胞間クロストークの解明と骨再生治療への応用を目指している.
昨年度までに,リン酸カルシウムの種類及び混合比を変化させ,異なる条件下においてリン酸カルシウムディスクを作製することに成功した.また,リン酸カルシウムの物理化学的性質が破骨細胞の形成能,及び破骨細胞-骨芽細胞間クロストークを変化させる可能性を見出した.
今年度は,作製したリン酸カルシウムディスクを用いて破骨細胞培養を行った.バイオマテリアル上にマウス骨髄マクロファージを播種し,RANKL存在下において破骨細胞を分化誘導した.各種リン酸カルシウム上における破骨細胞の形成能を比較検討した.また,破骨細胞RNAを回収し,リアルタイムPCR法にて破骨細胞由来カップリング因子の発現を調査した.その結果,リン酸カルシウムの種類及び混合比によって,破骨細胞由来カップリング因子の発現が変化することが明らかとなった.さらに,破骨細胞培養前後におけるリン酸カルシウムの結晶学的構造変化に着目し,X線回折装置(XRD),フーリエ変換赤外分光分析(FTIR)による解析を行った.
上記の解析によって,リン酸カルシウムの材料学的特徴が破骨細胞-骨芽細胞間クロストークに影響を与える可能性が示された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度は,リン酸カルシウム上における破骨細胞形成能の評価,及び破骨細胞‐骨芽細胞間クロストークの解析に取り組んだ.その結果,リン酸カルシウムの物理化学的性質が破骨細胞由来カップリング因子の発現に影響を与えていることが明らかとなった.現在まで研究はおおむね順調に進行している.

今後の研究の推進方策

平成31年度は,破骨細胞培養前後でのリン酸カルシウムの材料学的解析を深め,人工骨の物理化学的性質が破骨細胞‐骨芽細胞間クロストークに与えるメカニズムの解明に取り組む.
具体的には,破骨細胞培養前後におけるリン酸カルシウム結晶の形態変化を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察する.また,破骨細胞培養前後におけるリン酸カルシウムの結晶構造変化をX線回折装置(XRD),フーリエ変換赤外分光分析(FTIR)によって解析する.さらに,破骨細胞培養上清中におけるカルシウムイオン濃度及びリン酸イオン濃度を比色法にて定量する.
以上より,前年度までの成果と合わせて,骨再生過程におけるカップリング因子発現や破骨細胞‐骨芽細胞間クロストークの意義を明らかにする予定である.

次年度使用額が生じた理由

平成30年度の破骨細胞培養実験は,予定していたよりも備品・消耗品の購入が少なかった.
次年度は,破骨細胞-骨芽細胞間クロストークのメカニズムの解明を目的として,細胞実験や材料学的解析を行う予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Effect of calcium phosphate phases affecting the crosstalk between osteoblasts and osteoclasts in vitro.2019

    • 著者名/発表者名
      Shiwaku Y, Tsuchiya K, Xiao L, Suzuki O.
    • 雑誌名

      J Biomed Mater Res A.

      巻: 107 ページ: 1001-1013.

    • DOI

      10.1002/jbm.a.36626.

    • 査読あり
  • [学会発表] Effect of OCP on the crosstalk between osteoclasts and osteoblasts2018

    • 著者名/発表者名
      Shiwaku Y, Xiao L, Suzuki O.
    • 学会等名
      Bioceramics30
    • 国際学会
  • [学会発表] リン酸オクタカルシウムの材料化学的性質が破骨細胞-骨芽細胞間クロストークに与える影響2018

    • 著者名/発表者名
      塩飽 由香利,肖 凌浩,佐々木 啓一,鈴木 治
    • 学会等名
      第72回日本歯科理工学会学術講演会
  • [学会発表] リン酸オクタカルシウムが破骨細胞-骨芽細胞間クロストークに与える効果2018

    • 著者名/発表者名
      鈴木 治,塩飽 由香利,土屋 香織,肖 凌浩,佐々木 啓一
    • 学会等名
      第40回日本バイオマテリアル学会大会

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公開日: 2019-12-27  

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