研究課題
高齢者、高血圧症患者、糖尿病患者において、夜間の短期血圧変動は昼間よりも明らかな心血管系イベント、死亡率のリスク要因であると報告されている。そのため閉塞性睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea; OSA)は夜間の短期血圧変動を誘発することで、心血管系イベントのリスク要因である可能性がある。重度OSA治療の第一選択である持続陽圧酸素療法(Continuous Positive Airway Pressure;CPAP)を用いることで、OSAの改善と短期血圧変動の改善がみられることは示されつつある。一方軽度から中等度OSA治療の第一選択であり、重度OSAであっても種々の条件からCPAPが適応できない患者に対して用いられる口腔内装置(Oral Appliance;OA、いわゆるマウスピース)療法で、OSAの改善と短期血圧変動の改善がみられることを示す研究は少ない。本研究では本邦で口腔内装置が保険適用となる軽度から中等度OSA患者を対象とし、 軽度から中等度OSAが夜間の短期血圧変動を誘発すること、およびOA療法により短期血圧変動が改善されているかを検討する。当初は短期血圧変動の計測と睡眠状態の計測を別の機器で用いる予定であったが、平成28年度は短期血圧変動の計測と睡眠状態の計測を同時に実施する体制を整え、被験者の選択、協力依頼を行う対象を絞り込んだ。これにより効率的にデータの収集を開始した。平成29年度は引き続き被験者の選択と協力依頼を行いつつ、収集したデータの解析を並行して開始した。平成30年度は、追加実験について協議をし、データの解析を進めた。
3: やや遅れている
当初は短期血圧変動の計測と睡眠状態の計測を別の機器で用いる予定であったが、短期血圧変動の計測と睡眠状態の計測を同時に実施する体制を整え、被験者の選択、協力依頼を行う対象を絞り込んだ。その後更に被験者に協力依頼を継続した。またデータ解析を開始し、追加実験の必要性を考慮したため当初の予定よりやや遅れて進行している。
データ解析を進め、追加実験を含めて研究成果をまとめていく。結果については広く公開し、学会発表及び論文作成を進めている。この成果を元に更に研究を進めていく。
実験計画の再検討および研究の進捗状況がやや遅れていることから、次年度使用額が生じた。次年度は追加実験、実験結果の解析、研究成果の学会発表および論文執筆に対して研究費を使用する予定である。
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