研究課題
軽度~中等度OSAが睡眠時の短期血圧変動に及ぼす影響およびOAによる影響を本研究では解明することを試みた。現在閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の重症度はポリソムノグラフィー(PSG)で診断され、その間、患者は一晩に20個以上の生理学的センサーでモニターされる。これらのセンサーは患者を煩わせることが多く、患者の睡眠やOSAに影響を及ぼす可能性がある。本研究の過程で、患者のいびき音を分析してOSAの重症度を検出する方法を検討することを目的とした。患者のベッドサイドに設置したマイクを用いて、22名の参加者のいびきと呼吸音を、PSGを同時に受けながら記録した。いびきと呼吸音からいくつかの特徴量を調べ、いびきエピソードの前の1時間の間に無呼吸と低呼吸が起こった回数として定義されたいびき特異的無呼吸・低呼吸指数(ssAHI)との相関を調べた。統計解析の結果、ssAHIはメル周波数ケプストラム係数(MFCC)および音量情報(VI)と正の相関があることが明らかになった。クラスタリングの結果、軽症いびき音エピソードと軽度OSA患者のいびき音エピソードは主にクラスター1に分類された。クラスタリングの結果、重症いびき音エピソードと重度OSA患者からのいびき音エピソードは主にクラスター2に分類された。今回同定したいびき音の特徴は、OSAの重症度を判定する可能性を秘めていた。この結果はCOVID-19の世界的影響により本年度末には間に合わなかったが、令和2年4月に論文として広く公開することができた。今後本研究結果を基にしてOSAの睡眠時の短期血圧変動に及ぼす影響をより詳しく解明し、その成果を社会に還元していきたい。
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International Journal of Environmental Research and Public Health
巻: 17 ページ: 2951~2951
10.3390/ijerph17082951