| 研究課題/領域番号 |
16K20490
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| 研究機関 | 東京医科歯科大学 |
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研究代表者 |
根本 怜奈 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (50706893)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 接着ブリッジ / ジルコニア / 有限要素 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，口腔内環境に応じたジルコニア接着ブリッジのデザインを明らかにすることにより，長期的予後を改善するジルコニア接着ブリッジの臨床術式を提案するための研究基盤を確立することを目的とする．本年度は、平成28年度に作成した健全歯周組織における有限要素モデル（2リテーナータイプ、1リテーナータイプ（中切歯支台、犬歯支台））に対し、欠損部位のみ咬合接触を付与した際の、歯周組織および補綴装置内部の応力分布解析を行った。脱離への抵抗性は2リテーナータイプが優れていた．（過去の論文報告の結果と一致）1リテーナータイプでは中切歯支台の場合は脱離への抵抗性は高く，犬歯支台の場合は歯周組織の保護に有利であることが示唆された．
又，歯槽骨骨レベルを考慮した歯周組織および補綴装置内部の応力分布を有限要素法により解析するための3次元モデルの作成を行っている．歯周疾患モデルは，健全歯周組織の有限要素モデルを用いて，歯牙のセメント―エナメル境から歯周ポケット底部の距離であるクリニカルアタッチメントレベル（CAL）を用いる．ポケット底部から歯槽骨頂の間には一般的に，約1～1.6mmの距離があることから，本研究では歯槽骨骨レベルをCALを参考に1)軽度：3.5㎜，2)中度：4.5㎜，3)重度：6.5㎜と定義する．歯槽骨高さの調整はCADにて行っている.作成したモデルに対し，欠損部位のみ咬合接触を付与した際の、歯周組織および補綴装置内部の応力分布解析を行う．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度に作成した有限要素モデル（健全歯周組織）を用い，咬合接触時の，歯周組織および接着ブリッジフレーム内部に生じる応力の検討についての報告（Journal of Prosthodontic Research）を行った．平成29年度歯周疾患モデルの作成し，歯周疾患モデルにおける歯周組織，補綴装置の内部応力の解析を行う予定であったが，現在，歯槽骨の高さの調整をCADを用いておこなっているが，作成困難であり作成途中となっている．
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| 今後の研究の推進方策 |
歯周疾患モデルの作成を行い，荷重を付与した際の歯周組織および補綴装置内部の応力分布の解析を行う．現在，歯槽骨の高さの調整をCADを用いておこなっているが，作成が困難であり作成途中となっている．今後，顎顔面解剖学分野所蔵の乾燥頭蓋をマイクロCTにて撮影し，DICOMデータを用いて3次元モデル作成することも検討している．又，歯周疾患においては，歯槽骨骨レベルのみならず歯根膜腔の大きさも歯の動揺度に関与する．咬合性外傷が生じた歯周組織では，歯槽骨骨レベルは良好であるにも関わらず，歯根膜腔の拡大により歯の動揺が生じる．一般的に歯根膜腔は0.25mmであるが，咬合性外傷を想定して，0.5mmの歯根膜腔を設定したモデルも作成し，荷重を付与した際の歯周組織および補綴装置内部の応力分布の解析を行い，接着ブリッジのデザインの最適化を行う．
有限要素法は複雑な形状モデルを取り扱うことができ，任意の荷重時に細部な応力解析を行うことができるが，構成要素の特性設定が複雑であり，解析結果はモデルの作成方法，付与する物理的性質，拘束点などに大きく依存することから，実測値を用いて検証を行う必要がある．一般的に，有限要素解析モデルの妥当性を実測値により検証するには，歪みゲージを接着ブリッジフレームに貼付し，主応力を計測する必要がある．本研究では，有限要素解析に用いたものと同形態，擬似歯根膜として厚み0.25mmを付与して歯槽骨骨レベルの異なるモデルを作製し，評価を行う．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度作成予定であった，有限要素モデルの作成を次年度に繰り越したため．
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