研究課題
平成28年度の成果を踏まえて、CPC担持ポリマー粒子配合レジンの抗菌効果の評価、および物性の評価を行った。HEMAと架橋性モノマーTMPTを混合したモノマー混合液に、CPC粉末を添加し、加熱重合後粉砕して、CPC担持ポリマー粒子を作製した。作製したCPC担持ポリマー粒子を20あるいは50(wt)%の割合で配合したメタベースMの粉材と、液材を練和した混和泥を、直径9 mm、深さ2 mmのモールドに填入し、硬化ディスクを作製した。試作レジンの抗真菌性の評価を行うため、作製した硬化レジンをCandida albicansの菌液に浸漬し、37℃下で2日間培養後、レジン表面へのC. albicansの付着状態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。また、抗真菌効果の持続性を検討するため、CPCをリチャージしながら8日間滅菌蒸留水に浸漬した試料をC. albicansの菌液に浸漬し、同様に2日間培養後のC. albicansの付着状態を観察した。その結果、試料作製直後のコントロールレジン表面には、C. albicansが密に付着した状態が観察されたのに対して、20および50%配合ともにC. albicansの付着菌数が明らかに減少している状態が観察された。また、CPCをリチャージした試料においても、20%および50%配合ともにレジン表面へのC. albicansの付着が抑制されることが確認された。試作レジンの曲げ強度を評価するため、各レジンを用いて板状硬化体を作製し、硬化試料作製直後あるいは14日間水中浸漬後にクロスヘッドスピード5 mm/min、支点間距離50 mm で3 点曲げ試験を行った。その結果、試料作製直後の曲げ強さについては、20あるいは50%配合ともに粒子非配合のコントロールとの間で有意差は認められなかった。一方、14日間水中浸漬を行うと、50%配合ではコントロールと比べて曲げ強さが有意に低下したが、20%配合では曲げ強さの低下は認められなかった。
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