ビスフォスフォネート製剤使用患者の一部で,歯科治療後の顎骨壊死が報告されているが,現在でも原因は不明で治療法も開発されていない.一方近年,骨髄中には血管内皮前駆細胞が存在し,この細胞には抗炎症作用や血管新生作用があることが報告されている.この細胞群の効率的な採取法も開発され,得られた細胞をQQ-MNCと呼ぶが,本研究では,マウス顎骨壊死モデルにQQ-MNCを移植して効果を調べた.その結果,QQ-MNC移植は,抜歯部硬組織ではなく,軟組織治癒を促進して顎骨壊死を緩解することが明らかとなった.以上から,QQ-MNCはビスフォスフォネート製剤で起こる顎骨壊死の治療法になり得ることが考えられた.
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