研究課題/領域番号 |
16K20521
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
丸尾 勝一郎 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 助教 (60593639)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | デジタル印象 / 超音波 |
研究実績の概要 |
本年度の目的は、小型化プローブによる軟組織の厚み測定のための周波数の同定と精度の検証することであった。 具体的には、既存の超小型ペン型高周波超音波プローブ(現段階で予想される最適な周波数は15MHzで10μmの精度が可能)を用い、歯周外科実習用の豚顎の歯牙の頬側およ舌側のそれぞれ一点の粘膜の厚みを測定をおこなった。また、同時に異なる周波数による精度の比較をおこなった。測定後、測定部分には浸潤麻酔用の針でノッチをつけ、組織学的分析の際の目印とした。測定した部分の硬・軟組織を一部切除し、HE染色により組織切片を作成し、組織形態学的にノッチ部分の粘膜の厚みを測定する。高周波超音波と組織形態学的評価から得られた2つの測定結果の検証をおこない,その臨床的精度の妥当性を評価をおこなった。 結果として、歯周粘膜およびエナメル質については、超音波による厚み測定が十分な精度を有することが示唆された。また、歯肉の厚みを測定する最適な周波数は15MHzであることがわかった。 これらの結果は、第7回日本デジタル歯科学会学術大会(札幌、口演)・第125回日本補綴歯科学会学術大会(金沢、口演)、European Association of Osseointegration(パリ、ポスター)、CID15周年記念学術講演会(東京、招待講演)にて発表を行い、同分野にて研究を行っている研究者と議論を深めた。本年は、ここまで成果を論文にまとめ、投稿する予定である。 また、ドイツで開催された国際デンタルショーにて、超音波を用いた印象法について取材を行い、次の研究ステップへのヒントを得た。今年度以降は、昨年度用いた超音波プロープを組み合わせることにより、マトリクスアレイ型プローブの開発ならびに支台歯のマージンのイメージ化に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで進捗状況は概ね順調に進展しており、予定した超音波装置の開発および組織の厚み測定まで遂行をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は①超小型・軽量の高周波超音波測定装置を開発し、歯周およびインプラント周囲粘膜の厚みを非侵襲的に測定することと、②デジタルオーラルスキャナーと高周波超音波測定装置を融合した光学・超音波機器を開発し、現状では印象困難な天然歯の支台歯の歯肉縁下領域の印象精度を向上させること、である。①については昨年度にて目的を遂行したため、本年度からは②に移行する。 具体的には、複数の振動子を組み合わせたマトリクスアレイ型プローブの開発とマージンのイメージ化である。前年度で用いた単独の振動子から得られたデータ(口腔粘膜、歯牙、骨の厚みを測定するに適切な周波数や音速)をもとに、複数に束ねたマトリクスアレイ型のプローブを開発し、「点」から「線」を読み取ることにより、縁下マージンのイメージ化を目指す。また、マトリクスアレイ型のプローブの概略図を図3に示す。マトリクスアレイは薄型の振動子を配列したものであり、口腔内での臨床応用にも十分可能である.素子配列には8x8素子の64素子を検討している。歯牙全体が入る幅にするために、アレイ素子ピッチを適切に決定する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度では、プローブの開発および歯肉の厚みを測定する研究において、非常に順調に研究が進行し、プローブをさらに改良したり、実験を繰り返し行う必要がなかったため、余剰金が発生したと考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
余剰金に関しては、マトリクアレイ型のプローブの開発およびイメージ化にかかる費用に足し、より精度の高い機器の開発を目指す。
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