酸化ストレスは骨芽細胞の分化と石灰化を抑制し,骨基質中のコラーゲン線維を細くした.現在コラーゲン線維形成に関与することが分かっている分子群の,酸化ストレスによる遺伝子発現の変化を調べたところ,基質タンパクであるⅤ型コラーゲンやデコリンには変化がなく,コラーゲン分子の三重螺旋形成やコラーゲンのリジン残基の水酸化や糖添加に関与する分子群にも変化がなかった.しかし,コラーゲン架橋形成開始酵素の中のlysyl oxidase(LOX)とLOX-like protein 1(LOXL-1)の遺伝子発現は増加した.酸化ストレスはコラーゲンの翻訳後修飾因子に影響を与えて,骨を脆弱化させる可能性がある.
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