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2018 年度 実績報告書

生体アパタイト配向性の臨床的評価を可能とする無被曝の骨質診断システム開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K20540
研究機関広島大学

研究代表者

岡田 信輔  広島大学, 病院(歯), 病院助教 (20736558)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードインプラント / 超音波 / sos / 術前診査
研究実績の概要

インプラント体埋入時の初期固定は,治療の成否を左右する重要な因子である。中でも,上顎骨や骨増生部位において,骨質の問題から十分な初期固定が得られない場合,治療の成功率は低いとされる。また歯科インプラント治療における骨組織の構造や機能は, X線CTを用いてBApの存在量を基準とした骨密度のみで評価しているのが,骨質は臨床的に評価されてない。
一方で超音波は物質の内部構造や力学的性質の評価として物性研究で用いられており, 医科で応用されている定量的超音波測定法(QUS)のパラメーターである超音波速度(SOS)が骨密度とBAp配向性の両方に規定されている可能性が明らかとなっている。
本研究ではSOSに着目し,その特性を活かして歯科インプラント術前検査へ応用するため, 11被検体の新鮮ブタ大腿骨を準備し, その軟組織を除去,長軸方向20mm間のSOSを試作測定器(古野電気社製)を用いて測定した.次に,同測定部位の骨標本を作製し,骨密度および多孔性をμCTにて測定した.その後,各骨標本にφ3.75 × 8.0 mmのインプラントを3本埋入し,埋入トルク値,ISQ値および埋入部位の皮質骨厚径を測定した.
SOSは,骨密度,多孔性およびISQ値と有意に相関した.また,皮質骨厚径が3.0 - 3.5 mmの範囲において,cSOSと埋入トルク値が有意に相関することが明らかとなった.
以上より,SOSは歯科インプラント領域における皮質骨骨質術前評価へ応用できる可能性が示唆された.また本研究の結果により臨床において骨質の指標であるBAp配向性を無被曝で診断することが可能となり新たなインプラント術前検査を確立することができる。

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公開日: 2019-12-27  

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