研究実績の概要 |
本研究は、インプラント埋入後の創傷治癒を促進するため、埋入後の早期段階においての白血球に着目した。 まず、マクロファージ活性化因子として知られるGranulocyte-macrophage colony stimulating factor(GM-CSF)をチタンへ固定化する前に、マクロファージのGM-CSFに対する反応を評価した。Pst上(96well)とチタンディスク上(Φ6mm)でマウス由来マクロファージ(RAW264.7)を1×105cells/cm2培養し、炎症性サイトカインであるTumor necrosis factor-α(TNF-α), 創傷治癒因子であるInterleukin-4(IL-4)の変動について比較検討を行った。またマクロファージ活性化因子としてGM-CSFを添加したときのサイトカインの変動についても評価した。 サイトカインの評価は,培養器へ播種してから24,48時間をタイムポイントとして設定しELISAを用いて評価した。結果は、TNF-αについては24,48時間でそれぞれPst<Ti、Pst<Tiという結果が得られた。IL-4については24,48時間でそれぞれPst≧Ti、Pst>Tiであった。また、GM-CSFを添加した場合では、TNF-αについては24,48時間でそれぞれPst<Ti、Pst<Tiであった。さらに、Pst上とTi上での細胞数の比較では、24,48時間でPst>Ti、Pst≒Tiという結果になった。 今後得られたデータをもとに、動物実験へ移行するかどうか検討していく予定である。
|