研究成果の概要 |
SEM観察でGM-CSFは粗造で不規則な表面形態を生じ, MTTアッセイでは48時間後に細胞生存率に有意差が認められた. TNF-α分泌はGM-CSFなしで48時間後に24時間後と比較して有意に減少し, GM-CSFは24, 48時間後にTNF-αの分泌を有意に増加した. IL-4分泌は, 24時間, 48時間でGM-CSF刺激の有無に関わらず有意に異なった. GM-CSF刺激の24, 48時間後にIL-4分泌が有意に増加した. これらの結果は, Ti上で培養したマクロファージについてGM-CSFによって刺激すると抗炎症性および炎症性サイトカインの分泌を促進する可能性があることを示唆している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インプラント埋入後の創傷治癒は, 生活反応期, 創内浄化期, 組織修復期, 組織再構築期の4つのステージに分けられる. 各ステージにおいて働く細胞があり, 各細胞を活性化するサイトカインが存在する. 今回の研究では, 初期の治癒反応に関係するマクロファージとGM-CSFに狙いを絞って評価した. その結果, マクロファージをGM-CSFで刺激することにより創傷性サイトカインおよび炎症性サイトカインが促進された. 今後これらのサイトカインを組み合わせてチタン表面へ固定化し各ステージで働く細胞活性を促進することにより創傷治癒を短縮できる可能性があると考えられる.
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