本研究では、われわれは活性酸素種(ROS)が腫瘍血管に蓄積していることと、ROSがVEGFやBiglycanなどの血管新生関連遺伝子の発現を亢進させ、TECの運動能亢進を引き起こすことを明らかにした。これらの遺伝子の中で、われわれはBiglycanというスモールロイシンリッチプロテオグリカンに着目した。Biglycanの受容体として知られているToll様受容体2および4の阻害は、ROSによって引き起こされるTECの運動能亢進をキャンセルした。また、Smad2/3がBiglycanの発現を制御していることも見出した。これらのことにより、ROSを制御することによる腫瘍血管新生阻害の可能性を示した。
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