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2016 年度 実施状況報告書

COX-2,ケモカインシステムを標的にした口腔癌リンパ節後発転移に対する治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 16K20558
研究機関群馬大学

研究代表者

小川 将  群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (70622041)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード口腔癌 / COX-2 / PEGS / 頸部リンパ節後発転移
研究実績の概要

目的:COX-2はアラキドン酸からプロスタグランジン合成への律速段階を調節する酵素である.1995年のGiovannucciらの疫学的研究で長期間のアスピリン服用によって大腸癌が40〜50%減少すると報告されてから,これまで様々な癌腫でCOX-2の発現誘導が確認されている.腫瘍組織に誘導されたCOX-2は,アポトーシスを抑制し,血管新生を増強させ,腫瘍細胞に浸潤能を獲得させる.さらにプロスタグランジンE2を誘導し,免疫抑制を惹起することで癌の増殖,浸潤,転移に関与していると考えられている. 今年度われわれは舌扁平上皮癌についてCOX-2代謝に加えその下流酵素(PGES)および受容体(EPレセプター)の発現を免疫組織染色により検討し臨床病理所見との関連性を検討した.対象:舌癌N0症例27例を対象として,切除標本のホルマリン固定切片を用いた.結果:対象27例中全例でCOX-2の発現が認められた.また,COX-2高発現が認められた症例16例中12例にPGESの高発現が認められた.EPレセプターについては,EP2RとEP4Rに有意に高い発現が認められた.COX-2,PGES,EP2R,EP4Rの高発現と頸部リンパ節後発転移の間に有意な相関を認めた.考察:免疫染色の結果から舌扁平上皮癌では,特に頸部リンパ節後発転移においてEP2R,EP4Rを介したPGES,COX-2の発現が関与している可能性が示唆された.結語:舌扁平上皮癌において,COX-2とPGESおよびその受容体であるEP2R,EP4Rの発現が認められた.COX-2選択的阻害薬がその副作用の面で問題が生じたことから,PGESやEP2R,EP4Rが新たな治療の標的となる可能性があり,今後はmRNAレベルでの検討を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定していたリンパ管新生の評価を行えていないため、やや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

現在の進行状況は計画されたものよりやや遅れている状態であるため、可及的に前進するように進めて行きたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度における研究割り当て時間および研究継続時間が少なく、実質的研究遂行に支障を来したことによる。
研究時間の確保に重点を置いた研究計画の大幅な見直しを行うことにより、確実に研究を遂行して行きたい。研究時間が十分に取れ、計画通り研究が実施されたなら、必要かつ十分な研究費であると考えられる。

次年度使用額の使用計画

研究に必要な物品(抗体など)の購入などに使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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