2011年に発表された全エキソーム解析から、口腔がんでは予想を超えたゲノム・エピゲノム異常の集積が明らかとなった。Ten-eleven translocation 1 (TET1)はDNAの脱メチル化を介してがん化に関与するエピゲノム関連遺伝子として近年注目されているが、口腔がんにおいては未だTET1の報告はなく、その機能は未知である。本研究では口腔がん細胞株および公共データベースを利用した詳細な遺伝子解析を行い、TET1が口腔がんにおいてoncogeneとしての機能を有することを見出した。今後本研究をさらに発展させることで、TET1が口腔がんの新規治療標的と成り得る可能性が期待できる。
|