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2016 年度 実施状況報告書

口腔癌におけるチタンナノ粒子の有効性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K20574
研究機関神戸大学

研究代表者

筧 康正  神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (70772896)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードナノ粒子 / 口腔癌 / 放射線
研究実績の概要

近年、新しい放射線増感物質としての臨床応用やin vivoイメージングへの応用について各領域でナノ粒子研究が盛んに行われている。神戸大学ではナノ粒子化したチタン酸化物がX線照射によって多量のヒドロキシラジカルを発生しうることを発見し、放射線増感療法の可能性について提案を行ってきた。本研究の目的は口腔癌に対するチタンナノ粒子による放射線増感効果の有効性および毒性の評価を行うことにある。本年度は初年度であり増感剤として過去に使用されている金ナノ粒子による放射線増感効果を口腔癌細胞株を用いて検討した。ヒト口腔癌細胞であるHSC-3などに対して細胞培地に金ナノ粒子の添加を行い、まずは濃度調整を行って濃度変化(0.1nM-100nM)による細胞毒性を測定した。濃度依存性による細胞毒性は明らかでなかった。またX線照射装置による口腔癌細胞への影響をみるため、培養細胞に放射線照射の線量変化(2-16Gy)を行い細胞数を蛍光免疫染色により測定した。4Gy以上で明らかな細胞数の減少傾向を認めた。そのため細胞の変化を捉えやすくするため、4Gyの照射条件下で金ナノ粒子の濃度変化(0.1nM-100nM)によって放射線照射を行った際の細胞数、細胞増殖能についてTUNNEL法やploliferation assayやaggregation assayを行った。0.4nM以上で明らかな細胞数の減少傾向を認め、金ナノ粒子による放射線増感効果を認めた。また同一条件下で細胞接着分子(E-cadherin,ZO-1,β-catenin,EGFR等)や細胞骨格分子(actin,vinculin等)の局在の変化を蛍光免疫染色を施行し観察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的はチタンナノ粒子による口腔癌細胞への変化を捉えることである。しかしそのために従来より研究されている金ナノ粒子による口腔癌細胞への影響と、金ナノ粒子と放射線との併用による影響を観察するのに、想定より多くの時間を要したことから。

今後の研究の推進方策

今後は口腔癌細胞に対するチタンナノ粒子の影響を見るべく、in vitroでの口腔癌細胞実験を行うととともに、口腔癌担癌ヌードマウスを用いた動物実験によるin vivoでの影響を研究したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

本年度の予定として挙げた実験の内、当該年度はその一部が出来なかったため。

次年度使用額の使用計画

研究の目標としてチタンナノ粒子による増感効果を確認するため、培養細胞を用いた研究の継続に研究費を使用することを予定している。

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公開日: 2018-01-16  

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