研究課題/領域番号 |
16K20576
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
榊原 晶子 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (00569866)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | TRPVイオンチャネル |
研究実績の概要 |
口腔扁平上皮癌細胞の培養系統の確立・TRPVの発現解析およびTRPV発現様式評価 生検や手術で得られた口腔扁平上皮癌を3部位に分類する。培養細胞の継代を行い、第一~数代までのそれぞれの細胞株を回収。プライマーを利用し、定量的PCR法を行い、腫瘍病変における各TRPVの発現量を数値化した。発現量の解析には、まず、actinの発現量を基準として各TRP-Xの発現量を検討し、さらにA-6で求められた正常口腔粘膜におけるTRP-Xの発現量を基準として、腫瘍病変における発現量を相対値として求めた。 また、正常粘膜と口腔扁平上皮癌の細胞を培養し、それぞれの培地において、TRPVチャネルの開く外的刺激を与え、カルシウムイオンの取り込みが起こるかどうかを検討した。 この反応をみることで、それぞれの細胞で、確かにTRPVの反応する外的刺激が存在すること、そして、TRPV1~4それぞれに特異的な外的刺激を同定できる。これまでのところ、口腔扁平上皮癌の培養は確立できたが、正常粘膜細胞の入手、および細胞の培養に滞りがある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手術や生検材料から組織を採取し、それぞれの培養系統を確立している。癌細胞では細胞の特性上、増殖も速く培養は順調に出来ており、カルシウムアッセイにも運べている。ただ、正常細胞の組織量が不十分であったり、培養がやや滞るなどしており、正常細胞での検証に遅れがある。今後もひきつづき、組織の収集、検証に努める。
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今後の研究の推進方策 |
コントロールとしての正常細胞の培養を継続し、扁平上皮癌との対比で、培養細胞でも、TRPV1~4のイオンチャネルの発現が、組織本体から得たRNAと同様に定量的に同じ発現様式を取ることを実証させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定よりも検体収集が進まなかったため、予定していた消耗品や試薬の購入がやや後回しになっている。
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次年度使用額の使用計画 |
新たに必要とする設備としてプレートリーダーの購入を予定している。
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