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2018 年度 実施状況報告書

口腔腫瘍悪性化および増殖と環境因子との相関-TRPチャネルをめぐって-

研究課題

研究課題/領域番号 16K20576
研究機関神戸大学

研究代表者

榊原 晶子  神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (00569866)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードTRPVイオンチャネル
研究実績の概要

れまでのわれわれの研究では、生体から得られた口腔粘膜組織(舌、歯肉、頬粘膜、口底)の癌細胞と正常粘膜細胞を用いてTRPV1-4イオンチャネルの発現が癌と正常組織でどのように特徴付けられるのかを検証してきた。以下がその結果である。real time PCR法および、免疫組織化学染色法により、①TRPV1,2,3,4全てにおいて、ヒト口腔正常粘膜(舌、歯肉、頬粘膜、口底)での発現が確認。②②口腔扁平上皮癌と口腔正常粘膜におけるTRPV1,2,3,4の発現量は、扁平上皮癌の方が有意に増加。③TRPV1,2,3,4全てにおいて、ヒト口腔正常粘で‘飲酒あり’群の方が、‘飲酒なし’群よりも有意に増加。④TRPV2,3,4において、ヒト口腔正常粘膜で‘喫煙あり’群の方が、‘喫煙なし’群よりも有意に増加しており、TRPV1も増加傾向。することを確認している。
これらの研究は、生体から採取した粘膜癌細胞、粘膜正常細胞から採取した組織で行った。培養細胞においても同様な発現が認められるのかを検証中である。生体から採取した組織から細胞を単離しようと試みたが、困難であったため、細胞提供を受けて、培養している。正常粘膜細胞の培地と癌細胞の培地でまずは光刺激でカルシウムイオンチャネルが開くことを確認しているところである。今後は、TRPVイオンチャネルの1-4のそれぞれに特有のチャネルを開く促進剤(例:カプサイシンやさまざまな温度設定)があるため、おのおので検証していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでに、採取した癌組織と正常組織から各々のRNAを抽出し、TRPV1~4の発現について検証してきた。さらに、培養癌細胞(HSC3)と培養正常細胞(HOMK)の各々の場合は、正常細胞については、正常組織と同様のTRPV1~4の発現様式をとることが判明したが、癌細胞では、癌組織と異なる様式であることが判明している。現在、再現性を求めて、実験を継続している。

今後の研究の推進方策

セルバンクで購入した培養細胞での検討を行っているが、組織から細胞を抽出して培養した場合も、同じ結果となるか、検討したいと考えている。癌組織からの細胞の初代培養に難渋している。正常ケラチノ細胞は、初代培養が行えている。同一固体から得られた正常細胞と癌細胞でのTRPV1~4の発現を確認したい。また、これらの細胞で、チャネルを開く契機となる物質や条件を与えて、カルシウムアッセイを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初の予定よりも細胞培養や抽出がうまくいかず、必要試薬の購入が後回しになっている。

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公開日: 2019-12-27  

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