研究課題
若手研究(B)
口腔 に発症する扁平上皮癌を中心とする 悪性腫瘍では、発ガンの危 因子として喫煙や飲酒の他に、持 的な物理的刺激が げられる。近年、物理刺激の受容体であるTRP(transient receptor potential)イオンチャネルが上皮系に発現していることが明らかとなった。本研究課題では、TRPと発癌の相関を解析し、癌化の予防および担癌患者における腫瘍進展のコントロールを目指してきた。
歯科口腔外科
口腔扁平上皮癌でのTRPVの発現量の増加を明らかとした。これが細胞の『増殖』に働くのであれば外刺激の除去を、『アポトーシス』に働くのであれば刺激を与えることで、癌の治療に応用できる。つまりTRPVのアゴニストあるいはアンタゴニストが抗腫瘍薬として使用できる可能性がある本研究ではわれわれの日常生活における外的刺激を中心として、その発癌および癌の進行との相関を探るための礎を築く物で、新しい概念の確立を目指すとともに、予防医学的にも極めて重要な成果が得られるものと考える。