研究課題
マウス扁平上皮癌由来細胞株SCCⅦを5-FU(FU), Cisplatin(CDDP), Cetuximab(CET)で長期間処理することにより、各薬剤に対する耐性株SCCⅦ/FU、SCCⅦ/CDDP、SCCⅦ/CETを作製した。SCCⅦ/FU、SCCⅦ/CDDP、SCCⅦ/CETをC3H/Heマウスにそれぞれ皮下接種し、各固形腫瘍を生着させた7日後に、下記①ー⑦の治療法から3つのレジメンをそれぞれ行った。① マウス抗PD-1抗体 20mg/kgを第1週目に、10mg/kgを第2週目以降に腹腔内投与を週1回継続、② 5-FU 20mg/kgを週2回腹腔内投与、③ シスプラチン 5mg/kgを週1回腹腔内投与、④ Cetuximab 20mg/kgを週2回腹腔内投与、⑤ ①+②の併用療法、⑥ ①+③の併用療法、⑦ ①+④の併用療法。すなわち、SCCⅦ/FU腫瘍には①、②、⑤を、 SCCⅦ/CDDP腫瘍には①、③、⑥を、SCCⅦ/CET腫瘍には①、④、⑦を施行した。その結果、未処理対照の各薬剤耐性腫瘍と比較して、屠殺前の8週間の治療終了時、SCCⅦ/FU腫瘍において①では約14.6%縮小、②では約4.2%縮小、⑤では約25.3%縮小を示した。またSCCⅦ/CDDP腫瘍において①では約10.7%縮小、③では約1.4%縮小、⑥では約30.2%縮小を示した。さらにSCCⅦ/CET腫瘍において①では約18.3%縮小、④では約6.7%縮小、⑦では約43.9%縮小を示した。すなわち、抗癌剤や分子標的薬耐性の腫瘍に対して抗PD-1抗体は抗腫瘍効果を発現し、各薬剤に対して感受性が乏しい状況であっても、抗PD-1抗体と併用することで抗腫瘍効果を増強できる可能性が示唆された。薬剤耐性腫瘍に対しても、Cetuximabは5-FUやシスプラチンよりもマウス抗PD-1抗体との併用効果が大きかった。
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