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2016 年度 実施状況報告書

口腔扁平上皮癌における 血清 Exosomal miRNA の発現機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K20582
研究機関愛媛大学

研究代表者

徳善 紀彦  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (10723843)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードExosome / microRNA
研究実績の概要

Exosome 中に含まれるmicroRNA (miRNA) は癌の悪性化に関与し、また、血清、唾液、尿中などの体液中に安定した状態で存在している。近年、血清中の Exosome miRNA が様々な癌種における新規バイオマーカーとして着目されている。そこで、本研究では健常者、口腔扁平上皮癌患者由来の血清およびヒト口腔扁平上皮癌細胞の培養上清から Exosome miRNA を抽出し、マイクロアレイによる網羅的発現解析を行い、口腔扁平上皮癌患者の血清および培養上清において有意に発現変動する Exosome miRNA を同定し、口腔扁平上皮癌の新規バイオマーカーとしての有用性を検証することを目的とした。
まず初めに、口腔扁平上皮癌患者および健常者血清から Exosome miRNA を抽出し、マイクロアレイ解析を行った。その結果、口腔扁平上皮癌患者で 3 倍以上発現亢進する miRNA を 33 種類、3 倍以上発現低下する miRNA を 15 種類同定している。その中でも、miR-6068 は最も著明に発現上昇しており、口腔扁平上皮癌細胞の培養上清中の Exosome miR-6068 も有意に発現上昇を認めた。
発現低下する miRNA として Exosome miR-26a を同定しており、miR-26a は全血清中および口腔扁平上皮癌組織中でも有意に発現低下を認めた。
このようにマイクロアレイ解析およびリアルタイム定量化 PCR で有意に発現変動する miRNA を複数同定している。今後は症例数を増やし、より有用なマーカーとしての Exosome miRNA を検証していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画からはやや遅れてはいるものの、概ね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後は、同定した Exosome miRNA の発現と臨床組織学的因子との関連性を明らかにし、既存の腫瘍マーカーである血清 SCC 抗原との感度、特異度の違いを明らかにする。
発現変動を認めた miRNA については、口腔扁平上皮癌細胞株に locked nucleic acid (LNA) アンチセンスオリゴヌクレオチドおよび模倣型合成 miRNA を導入し、発現変動に伴う口腔癌細胞の機能解析および標的遺伝子の探索を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

マイクロアレイ関連の消耗品などの物品費が少なかったことから、差額が生じた。

次年度使用額の使用計画

マイクロアレイ関連試薬の購入や国際学会への参加予定であり、物品費および旅費として使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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