研究課題
近年、口腔扁平上皮癌(oral squamous cell carcinoma: OSCC)に対しては、手術のみならず化学療法や放射線療法を併用した集学的治療がなされており、良好な治療成績が得られている。しかしながら、局所進展例においては依然として経過が不良となる症例が多く、その理由の1つとして抗癌剤抵抗性を獲得した癌細胞の存在が考えられている。最近の研究では、局所における慢性炎症が、癌細胞の浸潤・転移能や抗癌剤抵抗性などの悪性形質獲得に関与していることが明らかになってきた。この悪性形質獲得にはインターロイキン6(interleukin-6: IL-6)などの炎症性サイトカインの関与が示唆されているが、OSCCにおけるIL-6の発現や機能については不明である。本研究では、OSCCにおけるIL-6の発現を検索するとともに、特にIL-6がOSCC細胞の抗癌剤抵抗性に与える影響について検討する。平成29年度は以下の2つの研究を行った。①IL-6がOSCC細胞の抗癌剤抵抗性に与える影響:IL-6がOSCC細胞の抗癌剤抵抗性に与える影響について検討を行った。抗癌剤無添加群の細胞生存率を1.0として、rhIL-6 protein添加時の細胞生存率を算出した。また、抗IL-6R抗体の添加によるIL-6シグナルの阻害がOSCC細胞の抗癌剤抵抗性に与える影響について同様に検討を行った。②OSCC細胞株におけるIL-6シグナル伝達関連分子の発現:rhIL-6 protein添加がIL-6シグナル伝達関連分子の発現に与える影響をWestern blotting法にて解析した。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件)
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