口腔扁平上皮癌に対しては、手術のみならず化学療法や放射線療法を併用した集学的治療がなされており、良好な治療成績が得られている。しかしながら、局所進展例においては依然として経過が不良となる症例が多く、その理由の1つとして抗癌剤抵抗性を獲得した癌細胞の存在が考えられている。本研究では、OSCCにおけるIL-6の発現を検索するとともに、IL-6がOSCC細胞の抗癌剤抵抗性に与える影響について検討を行った。本研究により、OSCC細胞におけるIL-6の発現が抗癌剤に対する抵抗性の獲得に関与しており、STAT3シグナルを介した伝達経路がその重要な役割を果たしていると考えられた。
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