fibronectinによる抗癌剤耐性機序の解明を目的として下記の研究を行った。 ①抗癌剤耐性口腔癌細胞株のfiburonectin発現抑制による抗癌剤作用効果について比較検討、②抗癌剤感受性のある細胞株へのfibronectinn強発現による抗癌剤耐性の有無の比較検討、③臨床検体を用いたfibronectin発現の確認を行った。しかしながら、fibronectinは細胞蝕に関わる因子でもあるため、①②において細胞職に差が出現し、比較検討を行うことができなかった。また、細胞形態についてもわずかながら変化が認められ検討を行うことができなかった。③に関しては、年齢・性別・部位・転移の有無・原発巣の大きさなどについて比較検討を行ったが、有意な差は認めることができなかった。 上記3つにおいて有意な差は認められなかったため、fibronectinの細胞膜受容体であるインテグリン受容体に対して、阻害剤を用いた実験と、発現抑制・強発現の実験を試みた。しかしながら。阻害剤事件について差は認められたものの、有意な差は認められなかった。発現抑制・強発現の実験を試みたが、インテグリンは細胞膜受容体おいて、細胞接着の重要因子でもあり、抑制事件については細胞が浮遊し、細胞増殖が認められず比較検討を行うことができなかった。増殖実験においては細胞形態に変化が認められ、比較検討を行うことができなかった。 以上より、fibronectinにおける抗癌剤耐性の解明を試みたが、有意な結果を得ることができなかった。
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