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2017 年度 実施状況報告書

口腔癌転移巣の微小環境を規定する新規マーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 16K20602
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

栗原 都  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40453170)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード口腔癌 / 転移 / 微小環境
研究実績の概要

分子生物学研究の進歩と相まって種々の分子標的治療薬の臨床応用が開始されているが、がんの発生・増殖・浸潤・転移には多数の分子が関与しており、シグナル伝達系の一つの分子を阻害してもそれを補う経路があるため、効果が十分に発揮されないことが多い。近年、癌細胞と間質細胞の相互作用により作り出される「微小環境」が、がんの浸潤・転移のみならず治療抵抗性とも密接に関与することが明らかとなっている。口腔癌において転移先の頸部リンパ節に癌の生息に好ましい「微小環境」が形成されていると、よりリンパ節転移が成立しやすくなることは想像に難くない。
申請者らは口腔癌の微小環境を形成する可能性のある因子としてPAUFを見いだした。PAUFは膵癌等において腫瘍促進性に作用することが知られているが、口腔癌における機能は明らかでない。口腔癌材料を用いた免疫組織化学において、PAUFの発現はリンパ節転移と予後不良に密接に関与していた。細胞株を用いた検討では、口腔癌細胞の増殖・浸潤能とアポトーシス抵抗性の獲得に関与しており、さらに抗がん剤であるシスプラチンに対する耐性能の獲得にも関わることが明らかとなった。PAUFは口腔癌における新たな分子標的となる可能性が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

あらたなマーカーに対する発現解析に時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

発現解析に使用可能な抗体の入手の目途がついたため、急いで解析を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

抗体の入手に手間取り解析が遅延したため

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Zinc finger AN1-type containing 4 is a novel marker for predicting metastasis and poor prognosis in oral squamous cell carcinoma2018

    • 著者名/発表者名
      Kurihara-Shimomura M, Sasahira T, Nakamura H, Nakashima C, Kuniyasu H, Kirita T
    • 雑誌名

      J Clin Pathol

      巻: 71 ページ: 436-441

    • DOI

      10.1136/jclinpath-2017-204770

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NIPA-like domain containing 1 is a novel tumor-promoting factor in oral squamous cell carcinoma2018

    • 著者名/発表者名
      Sasahira T, Nishiguchi Y, Kurihara-Shimomura M, Nakashima C, Kuniyasu H, Kirita T
    • 雑誌名

      J Cancer Res Clin Oncol

      巻: 144 ページ: 875-882

    • DOI

      10.1007/s00432-018-2612-x

  • [学会発表] Malic enzyme 1 による口腔扁平上皮癌促進作用2018

    • 著者名/発表者名
      中嶋千恵、栗原 都、山本一彦、バワール ウジャール、笹平智則、桐田忠昭、國安弘基
    • 学会等名
      第76回日本癌学会総会

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公開日: 2018-12-17  

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