研究課題/領域番号 |
16K20611
|
研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
木内 誠 獨協医科大学, 医学部, 助教 (00759483)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | PDXモデルマウス / microRNA / エクソソーム |
研究実績の概要 |
まず,PDXモデルマウス作製に先立ち,in vitroでの先行研究を行なった.その目的は,培養上清中に癌細胞から分泌されたエクソソームに含まれるmicroRNAを検出することとした.PDXモデルマウスが作成できたとしても,このエクソソームの単離及びその定量ができなければその後の解析が困難になるからである.そこでまず,分泌型microRNAとして既に報告されているmiR-518cを用いて実験を行なった.使用した細胞は口腔癌細胞株である,CAL-27を用いた.この細胞はmiR-518cを産生をしないことを既に証明している.このCAL-27にmiR-518cの発現ベクター及びコントロールベクターを導入し,miR-518cの強制発現株及びmock細胞を樹立した.これらの細胞を培養し,セミコンフルエントになったところで,serum free mediumにて培養後,その培養上清からexoRNeasy Serum/Plasma Kit(QIAGEN)を用いてエクソソームの単離を行なった.ついで,Qubit; microRNA アッセイキット (Thermo Fisher SCIENTIFIC)を用いてその定量を行なった.その結果を元にリアルタイムPCRによるmiR-518cの発現量比較を実施予定であったが.エクソソーム定量の段階で,予想以上にエクソソームの回収量が少なかった.PDXモデルマウスでは血清からのエクソソーム回収になり,さらにサンプル量が少なくなることが予想されるため,現在は,エクソソームの収率を改善すべく,回収方法についてそのプロトコールについて再考を行なっている.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究として行なったin vitroの実験においてエクソソームの収率が予想よりも低かったため. 本研究ではPDXモデルマウスを作製後,マウスの血清から,エクソソーム回収を予定している.マウス血清と比較して,サンプル量が多く取れる細胞培養上清からのエクソソーム回収率が低いことから,この点を改善する必要がある.
|
今後の研究の推進方策 |
まず,細胞培養上清からのエクソソーム回収率が低い原因を早期に究明する.細胞培養のプロトコールはこれまでの種々の研究で確立されているため,使用したエクソソーム回収キットのプロトコールを見直す.また,別の方法でのエクソソーム回収を行い,リアルタイムPCRを行なった際に再現性が得られる量が確実に確保できるようにする.このポイントさえクリアできれば,PDXモデルマウス作製を行い,マウス血清からのエクソソーム回収が容易になり,分泌型microRNAの同定が可能になると考える.
|
次年度使用額が生じた理由 |
PDXモデルマウスを用いて,種々の解析を行う予定であった.ところが,in vitroでの先行研究の段階で予想していたよりもエクソソームの回収率が低く,現状では次の段階の研究に移行出来ていないため.
|
次年度使用額の使用計画 |
現在,エクソソームの回収率を向上すべくプロトコールについて改善を行なっている.また,場合によっては回収方法そのものを別の方法を用いて行うこともありうる.この点が改善できれば,PDXモデルマウスを用いた種々の解析が可能となる.必要十分量のエクソソームが回収できれば,すぐにマイクロアレイやリアルタイムPCRでの解析を行うことができるため,次年度使用額相当分の経費が必要となる.
|