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2017 年度 実施状況報告書

口腔扁平上皮癌におけるセツキシマブ耐性化に伴う代謝変化の解析と新規治療法の考案

研究課題

研究課題/領域番号 16K20613
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

吉川 桃子  慶應義塾大学, 医学部, 訪問研究員 (50570967)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードCD44v / セツキシマブ / 口腔扁平上皮癌
研究実績の概要

口腔扁平上皮癌ではEGFR 遺伝子の増幅が認められ、その生存・増殖がEGFR シグナルに依存する傾向があることから、EGFR 標的治療薬セツキシマブの臨床応用が開始されている。しかし、ある時期に腫瘍の進行・増悪を認めることが多く、腫瘍がセツキシマブに対する抵抗性を獲得すると考えられる。我々はこれまでに、癌幹細胞マーカーであるCD44v 陽性口腔扁平上皮癌細胞を用いてセツキシマブ耐性細胞を樹立した。そしてメタボロームによる代謝解析から、セツキシマブ耐性細胞は親株と異なった代謝経路の活性が高いことを見出した。本研究では、EGFR シグナルが口腔扁平上皮癌の代謝に果たす役割と、セツキシマブ耐性化に伴う代謝変化について分子レベルで解析を行い、セツキシマブ不応症例に対する新規治療法を開発することを目的として解析をすすめている。
これまでに、EGFR 高発現でセツキシマブ感受性を有するCD44v 陽性口腔扁平上皮癌細胞から樹立した2種類のセツキシマブ耐性細胞を用いて、マイクロアレイによる遺伝子発現解析・メタボローム解析の結果を検討し、親株とセツキシマブ耐性細胞の解糖系と酸化的リン酸化の代謝シフトを決定づけるバイオマーカーとなりうる候補分子をいくつか特定している。この候補分子を用いて、RNA干渉による発現抑制や特異的阻害剤による処理、または過剰発現させる系を作成し、それぞれの代謝シフトを検出可能なモデルを検討中である。また実際にヒトの口腔扁平上皮癌の臨床サンプルを用いて、得られた代謝シフトに関連する特異的なバイオマーカーの発現を免疫染色にて確認中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

産前・産後休暇/育児休業取得のため、課題の進行が中断してしまったため。
親株とセツキシマブ耐性細胞の代謝シフトをターゲットとした薬剤を探索するためのアッセイ系の樹立に時間を要している。

今後の研究の推進方策

ヒトの口腔扁平上皮癌の臨床サンプル数を増やして、代謝シフトに関連する特異的なバイオマーカーの発現を免疫染色で確認していく。
親株とセツキシマブ耐性細胞の代謝シフトが検出可能なモデルを樹立し、代謝シフトを阻害できる薬剤を同定する。
また、得られた薬剤を用いて、担癌マウスモデルにおいて治療実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

産前・産後休暇/育児休業取得のため、課題の進行が中断してしまったため。
また、効率的な物品調達を行い実験に使用する消耗品費を節約できたために、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Recurrent Spindle Cell Carcinoma Shows Features of Mesenchymal Stem Cells2018

    • 著者名/発表者名
      Ouchi T.、Morikawa S.、Shibata S.、Takahashi M.、Yoshikawa M.、Soma T.、Miyashita H.、Muraoka W.、Kameyama K.、Kawana H.、Arima Y.、Saya H.、Okano H.、Nakagawa T.、Asoda S.
    • 雑誌名

      J Dent Res

      巻: ー ページ: ー

    • DOI

      10.1177/0022034518759278

    • 査読あり

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公開日: 2018-12-17  

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