研究実績の概要 |
①P53、PIK3CAなど既知のがん関連遺伝子については他の固形癌と類似したスペクトラムで変異がみられた。NOTCH経路の遺伝子群に28%と高頻度に変異がみられた。とくに、NOTCH1変異についてはリガンド結合領域に集中していた。HRAS変異については1.8%と低頻度の変異が認められた(口腔外科学会2017年、京都、発表)。 ②Flow cytometryにおいて、変異NOTCH1の細胞膜局在は不安定になっていた。免疫蛍光法でWT細胞の活性化NOTCH1は核内に認められたが、変異NOTCH1においては細胞質に認められた。qPCRにおいてMOCKと比較し、WTではHES1、HEY1のmRNA発現量が有意に上昇していたが(3倍、P<0.01)、変異NOTCH1では有意に減少していた(37%、P<0.01)。細胞増殖能力はMOCK細胞と比較してWT細胞は有意に(p<0.01)細胞が上昇していたが、変異NOTCH1細胞においては有意に(p<0.01)低下していた。ヌードマウスへの生着率はWT細胞は80%であったが、変異NOTCH1細胞では0%であった(Oncology Reports 2017, Uchibori, Ota, etal)。 ③マウス脇腹におけるconditional 変異HRAS発現マウスを得るプレ実験データが得られた。現在のところ腫瘍化は認められなかった。現在も解析を継続している。
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