研究課題/領域番号 |
16K20615
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
河野 通秀 東京医科大学, 医学部, 助教 (00421066)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 癌幹細胞 / CD44 |
研究実績の概要 |
本年度は、扁平上皮癌における癌幹細胞マーカーとされているCD44の発現形態、発現頻度、発現意義について明らかにするため、口腔扁平上皮癌の手術切除検体53例を用いて検証した。 (方法)手術切除検体にCD44の免疫組織化学染色を施して、NanoZoomerでスライド画像をデジタル化して、CD44の発現形態や強発現部位などを200から400倍視野下で観察した。200倍視野下での癌細胞における発現強度をホットスポット3視野で計測し、スコアー化した。発現意義の検証のため、臨床病理学的因子(腫瘍計、リンパ節転移の有無、リンパ管侵襲、血管侵襲、神経周囲浸潤、分化度)との関連性についてカイ二乗検定にて検証した。また、発現強度と予後の検討を行うため、全生存率(OS)、疾患特異的生存率(DSS)、無病生存率(DFS)についてKaplan-Meier法およびlog-rank検定を用いて検証した。 (結果)CD44発現は、主に癌細胞の細胞膜に発現していた。癌細胞以外にも、扁平上皮の基底細胞層も強く染色されていた。発現分布としては、腫瘍浸潤部に多く発現している印象であった。臨床病理学的因子との関連性では、神経侵襲(p=0.03)、YK分類(p=0.005)、後発リンパ節転移(p=0.001)、リンパ節転移(p=0.02)、局所予後不良(再発+後発リンパ節転移)(p=0.004)に統計学的有意に関連していた。 予後の検討では、3年DFS(CD44高発現群vs低発現群、51.7% vs 91.3%、p=0.005)と有意に予後不良であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他業務遂行のため、遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、遅れているin-vitroの実験系を遂行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、研究遂行に遅れが生じたため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度予定している、in vitro系の実験のための試薬購入等に当てる予定である。
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