研究課題
本研究はマウスの頭蓋骨にLPSおよびDPP-4阻害剤であるLinagliputinを注射し、破骨細胞形成および骨吸収に対するLinagliputinの影響について検討した。マウス頭蓋骨にLPS100μgおよびLinagliputinを30μgを毎日5日間投与した。LPS単独投与では破骨細胞形成が認められたが、同時にLinagliputinを投与したものでは破骨細胞形成が抑制された。また、破骨細胞形成マーカーであるTRAP、カテプシンKでも同様に同時にLinagliputinを投与したものでは抑制された。さらに破骨細胞形成必須因子であるRANKLの発現もLinagliptinが抑制させることを認めた。炎症性マーカーであるTNF-αおよびIL-1βにおいてもLinagliptinは抑制的に働くことを認めた。骨吸収の評価では、マウスの頭蓋骨をマイクロCT画像にて撮影し評価した。骨吸収像ではLPSでは骨吸収を認め、同時にLinagliputinを投与したものでは骨吸収を認めなかった。また、骨吸収マーカーであるCTXを評価したところ同様にLinagliputinを投与したものでは抑制的に働くことを認めた。Linagliptinが破骨細胞形成に直接的に関与しているのかを検討するため、マクロファージ細胞にM-CSFの存在下でRANKL、TNF-αおよびLinagliputinを加え破骨細胞形成を行った。Linagliputinの有無にかかわらず破骨細胞形成が行われ、直接的に関与していないことを認めた。腹腔内に直接LPSおよびLinagliputinを投与し、腹腔マクロファージを採取したところ破骨細胞形成が抑制された。しかしながら腹腔マクロファージを採取後にLPSおよびLinagliputinを投与したものでは破骨細胞形成に変化が認められなかった。
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