研究課題
まずin vitroにおいて破骨細胞形成に対するGPR120の作動薬であるDHAの抑制効果の検討を行った。マウスの大腿骨より全骨髄細胞を採取しM-CSF存在下で骨髄細胞由来のマクロファージに分化させた。その上でRANKLおよびTNF-alphaを加え破骨細胞分化を行い、さらにDHAを同時に作用させ破骨細胞形成へのDHAの作用の確認を行った。DHAはRANKLおよびTNF-alpha誘導の破骨細胞形成に対して共に抑制効果を示した。次に野生型マウスの頭蓋部皮下にPBS、LPS、LPS+DHA、LPS+DHA+AH7614、DHAを注射しLPSによる破骨細胞形成およびGPR120シグナルの破骨細胞形成抑制効果を確認した。マウスの頭蓋部皮下に5日連続で上記試薬を投与し6日目に屠殺し頭蓋骨およびマウスの血清を採取した。頭蓋骨のマイクロCT撮影後にEDTAによる脱灰を行い、頭蓋骨の組織切片を作成した。破骨細胞を染色できるTRAP染色を行い頭蓋骨縫合部における破骨細胞形成を評価した。LPS単独で作用させた場合、TRAP染色陽性である破骨細胞が多数確認された。一方、同時にDHAを作用させた場合は破骨細胞数が有意に減少した。さらにGPR120の阻害剤である AH7614を一緒に注射したもので破骨細胞形成が誘導され抑制効果が減弱することを確認した。またマウス頭蓋骨のμCTによる解析では組織切片の結果と同様にLPSのみ注入したものと比較してDHAを同時に注入したものでは骨表面の骨吸収像が減少傾向を示し、AH7614を注射したものでは骨吸収面積が増加した。また、血清中の骨吸収マーカーであるI型コラーゲン架橋C-テロペプチド(CTX1)をエライザにて測定したところLPS注射群ではCTX1が増加しDHAを一緒に注射した群ではLPS注射群と比較して有意に減少した。
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