本研究課題では、IGFBP6が歯根膜細胞(HPDL)の分化を促進的に制御する分子機序について、IGF依存的およびIGF非依存的経路の両面から解析を行った。まず、HPDLの分化誘導時にIGF2を添加したが同細胞の分化には影響が認められず、一方で、ADMPCが分泌するIGF2の濃度はIGFBP6の濃度よりも低いことが明らかとなった。また、ADMPCはIGFBP6だけでなく、様々な細胞外基質タンパクを発現していることが明らかとなった。これらの結果から、ADMPCが分泌するIGFBP6はIGF以外の液性因子と協調的に作用することで歯根膜細胞を活性化し、組織再生を誘導する可能性が示唆された。
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