研究課題
本研究は関節リウマチ (RA)患者の治療における歯周炎治療の有用性を示すことを最終目的としており、そのために歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalis(Pg)感染が、RAモデルマウスにおいてどのような影響を及ぼすか詳細に検討することを目的とした。申請者はこれまでに、関節炎を自然発症するSKGマウスをRAモデルとして、Pg感染のRA症状への影響を明らかにしてきた。本研究ではこれまでの知見をもとに、以下のことについて明らかにしていくこととした。{1)関節局所におけるPgとシトルリン化タンパク (CP)の病原性、2)PgにおけるCP産生酵素であるpeptidylarginine deiminase (PgPAD)の影響、3)Pgを感染させた場合の、RAにおける生物学的製剤の治療効果}1)についてSKGマウスを用いたモデルマウスの実験から、足関節の組織中から免疫組織化学的手法で、シトルリン化タンパク質の局在、CD19陽性B細胞の浸潤を認めた。2)についてエリスロマイシン耐性遺伝子を挿入したPgPAD欠失遺伝子をを含むベクターを大腸菌で構築した。3)について抗炎症薬 quercetinを用いた動物実験で関節リウマチの臨床症状のけいげんが認められた。その機序としてIL-6抑制が関与していることを突き止めた。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Clin Exp Immunol
巻: Nov;186(2) ページ: 177-189
10.1111/cei.12847