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2018 年度 実施状況報告書

スダチ果皮特有フラボノイドを用いた歯周病性歯槽骨吸収の新たな予防法の確立を目指す

研究課題

研究課題/領域番号 16K20677
研究機関城西大学

研究代表者

伊東 順太  城西大学, 薬学部, 助教 (40609096)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード骨代謝 / 破骨細胞形成 / 炎症性骨破壊 / ポリメトキシフラボノイド / スダチチン
研究実績の概要

骨量は、破骨細胞による骨破壊および骨芽細胞による骨形成のバランスにより一定に保たれている。一方で活性酸素種(ROS)が破骨細胞においてRANKLの細胞内シグナル伝達物質として働くとの報告がある。近年、スダチ果皮特有のポリメトキシフラボノイドsudachitin(SD)が抗炎症・抗酸化作用を持つことが報告されている。そこで、本研究では、抗炎症・抗酸化作用を有するsudachitinの骨代謝,とりわけ炎症性骨破壊と破骨細胞形成に対する作用機序を明らかにすることを目的とした。
本年度は炎症性骨破壊に対するsudachitinの抑制作用が骨芽細胞への作用を介してもたらされたものか,破骨細胞前駆細胞への直接作用に起因するものかを検討するため,マウス頭蓋骨から単離した骨芽細胞と骨髄からの破骨細胞前駆細胞との共存培養系における破骨細胞形成に対するsudachitinの作用を明らかにする。
初代骨芽細胞前駆細胞は、コラゲナーゼ逐次消化法を用いて、生後3-6 日のマウス頭蓋骨から分離培養する。共存培養はIL-1bとPGE2存在下で行い、マウス大腿骨から分離した破骨細胞前駆細胞の破骨細胞形成を検討した。sudachitinは共存培養系における破骨細胞形成に対し抑制的な作用を示した。しかしながら骨芽細胞のRANKL発現に対しては抑制的な賞は示さなかった。したがって、炎症性骨破壊モデルで見いだされたsudachitinの破骨細胞形成抑制作用は、骨芽細胞のRANKL発現に対し抑制的に作用したのではなく、破骨細胞に直接作用していたことが明らかとなった。以上のことから、sudachitinが持つ炎症性骨破壊抑制作用は破骨細胞分化過程を直接阻害することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調に解析が進んでいるが、本研究課題の目的の一つであるin vivo歯周病モデルマウスに対する持続的経口摂取による歯周病性歯槽骨吸収に対する予防効果の検討が、やや予定より遅れている。

今後の研究の推進方策

今後は本研究課題の目的の一つであるin vivo歯周病モデルマウスに対する持続的経口摂取による歯周病性歯槽骨吸収に対する予防効果を検討することとしている。

次年度使用額が生じた理由

研究計画はおおむね順調に進んでいたが、
・2016年4月の所属機関の異動による業務内容の変更に伴い、2017年9月ごろから研究時間の確保が困難になりはじめたため、研究にやや遅れが生じた。
・2018年4月研究用冷蔵庫に、2018年7月骨組織の画像解析に使用していたマイクロCT装置に、不測の故障が生じたため、当該機器の修理等に想定以上の時間を要し、研究にやや遅れが生じた。
以上、2点の事由による当初計画の遅れに伴い、次年度使用金額の余剰が生じたものと考えられる。今年度は当初計画を1年延長したので、研究の遂行に尽力したいと考えている。

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公開日: 2019-12-27  

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