研究課題/領域番号 |
16K20687
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 恵 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (80733774)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 舌 / オトガイ舌筋 / 舌骨上筋群 / 筋電図 / 嚥下 |
研究実績の概要 |
発達障害児者の中には,舌の機能的な発達遅延により,摂食嚥下時に舌突出を認める者がいる。この舌突出に関与しているオトガイ舌筋がどのように舌の機能的発達に関わるのかは明らかではなく,舌圧との関連も不明である。本研究では,舌突出を認める発達障害児者を被験者として舌挙上訓練を行い,その効果を舌突出の状態の観察評価,オトガイ舌筋活動,舌骨上筋群活動,舌圧により判定することで,より効果的な舌機能訓練法の構築に寄与する。さらに舌突出の状態の観察評価,オトガイ舌筋活動,舌骨上筋群活動と舌圧との関連を明らかにすることを目的とした。舌突出の状態の観察評価からオトガイ舌筋と舌骨上筋群の活動様相,舌圧発現様相を知ることが可能となれば,舌の機能的発達を促すための摂食機能療法の確立に貢献できる。 本研究では,摂食嚥下時に舌突出を認める発達障害児者対して上記のシステムを用いて舌挙上訓練を行用い,その効果を嚥下時に舌筋とともに協調して嚥下に寄与する舌骨上筋群と舌の突出に関連するオトガイ舌筋の筋電図記録、舌圧測定によって客観的に評価するとともに、舌突出の状態を観察評価し、さらに、発達障害児者の摂食嚥下時における舌の位置の観察評価と、オトガイ舌筋と舌骨上筋群の筋活動の様相、舌圧発現様相との関連について明らかにするすることを最終目的とする。本研究では、その最初のステップとして、健常有歯顎者の正常時の嚥下と舌突出した際の嚥下時の関連筋群の活動や舌圧について比較検討し、その特徴について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成 28 年度は,顎口腔系に異常を認めない健常有歯顎者を被験者とし,オトガイ舌筋な らびに舌骨上筋群の筋活動を導出し,舌突出した状態での嚥下がオトガイ舌筋活動に及ぼす影響を検索した。また,舌と口蓋との接触圧を同時計測し,成人嚥下時と舌突出した状態での嚥下時におけるオトガイ舌筋,舌骨上筋群活動と舌圧とを時系列的に比較検討した。現在、詳細な実験データの解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,実験データ解析を早期に完了し,その結果をもとに実験タスクや解析項目を検討し、健常有歯顎者において追加実験を行い、実験方法および解析方法を確立し、舌突出時の嚥下時の舌筋活動の特徴を明らかにする。さらに、確立した手法にて、舌突出の程度や嚥下タスクの違い(自発嚥下と随意嚥下)などの影響について詳細に検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は,当初計画していた今年度の実験が効率的に進行したことに伴う発生した未使用額であり,平成29年度の研究遂行により使用する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の使用予定としては,追加の実験にかかわる機器や消耗品,データ解析および論文制作にかかわる経費,また研究打ち合わせおよび研究成果発表旅費としても使用予定である.
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