昨今の高齢社会に伴い,歯科分野の問題点として,歯の喪失や摂食嚥下機能の低下が挙げられる.嚥下機能の低下は食物が気管に入りむせてしまう誤嚥を招く.誤嚥対策としては,体外から消化管内にチューブを使用して流動食などを投与する経管栄養もあるが,これでは食事を楽しむことや,食べ物を味わい,おいしさを感じることもできずQOLの低下を招いてしまう.つまり,機能が低下した場合でもいかに口から食べ物を摂取,咀嚼,嚥下の過程を踏み,おいしさを感じさせる工夫が必要となってくる.そのため新たな食品開発において,食品テクスチャーが咀嚼機能や嚥下機能あるいは感覚機能与える影響を解明することは非常に重要である.
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