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2016 年度 実施状況報告書

臨床研究に資する歯科データベースの設計・構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K20688
研究機関東京大学

研究代表者

井田 有亮  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30755947)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード医療情報 / データベース / 歯科医療 / 医療管理 / 医療ビッグデータ / 法歯科医学 / 疫学 / 歯科診療情報
研究実績の概要

診療情報の標準化を検討する事業が厚生労働省を中心に進んでおり、情報の蓄積・利活用 によって、医療安全・臨床研究・医療経済学的分析など様々な分野における発展が期待される。 その中でも、歯科医療の情報はいわゆるヘルスケア分野にとどまらず、身元不明遺体の本人 確認において極めて有用である。このことは中越地震・東日本大震災などの大規模災害を通じて広く明らかになったところである。
歯科医療機関は、大部分が診療所の形態でありエックス 線写真の読影を行う放射線科医が存在しないことが多い。したがってエックス線写真の読影(アノテーション)情報のテキストが得られないことが問題となる。歯科診療所においても十分に普及しているエックス線装置であるパノラマ撮影装置から出力された画像は、情報量が多く、また規格撮影という特性がある。画像からは、歯の有無や位置、放射線不透過性材料の有無などの情報をえることが可能であると考えられる。現在の歯科診療情報の標準化・規格の策定は、テキストデータが中心の取り組みであり、画像情報については議論が熟成していない。本研究では、画像を含む情報処理の基盤をクラウド上に置くことで、小規模データストレージが国内に乱立することが回避され、処理環境の 維持・アップデートが容易かつ、高速な処理を実現する基盤について検討している。
これまで蓄積されたデータを元にした臨床研究については、量・質ともに欧米諸国 の後塵を拝している。医療技術の評価は,臨床上重要なだけではなく,医療安全や医療経済に とっても有益である。したがって、歯科における悉皆的な症例データベースの構築が望まれている。したがって本研究の成果は、臨床研究の促進においても重要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初より研究計画に織り込んでいた歯科診療情報の標準化に傾注していたこともあり、研究全体の進捗状況のバランスが遅れた側面がある。しかしながら、多くのステークホルダーとともに構築した標準に基づいて研究を進めることは、規格の分裂や乱立を避けることにつながる重要な事項である。したがって、診療用のデータベースを構築する基礎となる標準の策定に一定の成果を上げられたことは重要であり、部分的な進捗として評価できるものと思われる。

今後の研究の推進方策

申請者の所属する東京大学医学部附属病院における診療データを利用する(研究倫理審査の受審後)など、シングルセンターにおける診療情報のデータベース化、および検索のプロトタイプインターフェースを製作し、実際に検索性および統計的な知見が得られることを実証する。
なお、現在の歯科診療情報の標準化・規格の策定は、テキストデータが中心の取り組みであり、画像情報については議論が熟成していないが、本研究では画像情報のアノテーションも視野に入れた研究として、関連技術の研鑽を深めて行く予定である。

次年度使用額が生じた理由

おもに、研究に使用するデータベースのプロトタイプ作成用コンピューターに支出を予定した金額について研究の進捗が遅れたために、ハードウェアの導入時期を遅らせたことで次年度使用額が生じたものである。具体的にはデータベースサーバー兼ワークステーションおよびバックアップ装置について当該年度での導入を導入を行わず、次年度に繰り越した。

次年度使用額の使用計画

今年度は、実際にデータベースのプロトタイプを動作させる予定があり、上記支出について早期に執行する予定である。現在詳細スペックの検討中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 定患者集団の抽出 (Phenotyping)手法確立に向けた技術的課題に関する考察2016

    • 著者名/発表者名
      香川璃奈,河添悦昌,井田有亮,篠原恵美子,今井健,大江和彦
    • 学会等名
      第 30 回人工知能学会全国大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      2016-06-06 – 2016-06-09

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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