研究課題
今日一般的になりつつある、サーバ仮想化技術やクラウドコンピューティングの技術を歯科診療情報の管理に応用することによって、専用のサーバー室などの整った情報基盤を有しない診療所等であっても、歯科診療情報の電子化に取り組むことが可能となる基礎的な技術について検討を進めることができた。従来、大規模なデータベースシステムの構築には多大な費用がかかり、またその維持管理には専門技術者が必要であるなど、経営規模の小さい医療機関において導入困難と思われた課題であったが、近年情報システム業界において取り入れられたコンセプトを導入することで、システムの構築、管理に対する医療機関側の対応を不要とすることで、情報基盤の普及をを容易にすることが可能となると思われる。また、並行して歯科診療情報の標準化に関する検討および標準化企画の策定に携わることで、標準化企画に対する深い理解を得ることができた。これら基礎的な取り組みをまとめ、査読のある国際会議International Association of Dental Research Annual Meetingで発表し、隣接分野である診療情報の電子化e-Oral Health Networkとの連携が可能な知遇を得た。本研究期間において、予定よりも歯科診療情報の標準化の策定に時間を要したことから実装に至らない部分が多かったものの、情報活用の基盤となる規格の成熟に寄与できたことは研究の進捗として評価できるものと考えている。
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