本研究の学術的な特色は、副作用の少ない抗酸化物質(ユビキノール)に着目して、がん化学療法における口腔粘膜炎の発症予防方法を確立することにある。また、発症してからの治療方法ではなく、口腔粘膜炎が発症しにくい口腔環境の形成を目指している点が独創的である。 近年、周術期管理等における医科歯科連携はますます重要視されてきている。化学療法により口腔粘膜炎を発症し、経口からの栄養摂取や患者自身での口腔ケアが困難となるケースは数多く存在し、本研究の成果を用いて口腔粘膜炎の効果的な予防方法を確立することは、がん治療患者が質の高い生活を送る上で不可欠であると考えている。
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