新規象牙質う蝕細菌種であるPropionibacterium acidifaciens (以下P. acidifaciens)のう蝕誘発機序について検討した。P. acidifaciens の特性として、唾液による菌体凝集はほぼ生じないこと、ハイドロキシアパタイトへ付着すること、コラーゲンへ強く結合すること、過酸化水素産生菌への抵抗性は弱いこと、酸環境下ではバイオフィルム形成に影響を及ぼされることが明らかになった。これらのP. acidifaciens の特性は、本菌が象牙質う蝕病巣という特殊な環境下に存在することの根拠となる可能性が示唆された。
|