研究課題/領域番号 |
16K20700
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
齋藤 真規 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (30434096)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | オゾンナノバブル水 |
研究実績の概要 |
実験前に研究効力者の残存歯数,欠損部位の確認,補綴・修復部位の確認,口腔疾患(齲蝕および歯周病)の有無および歯周ポケット深度測定を行った。研究協力者個人のマウスガード作成のため,印象採得(型取り)を行い,得られた石膏模型を基に加圧吸引式でマウスガードを作成した。作成したマウスガードの左右中切歯唇側にはオゾンナノバブル水流入口を設置し,左右第二大臼歯咬合面付近には廃液口を設置し,オゾンナノバブル水灌流マウスガードとした。研究協力者口腔に装着させた後,オゾンナノバブル水流入口にはオゾンナノバブル水タンクを,廃液口には歯科用ユニットに付属しているバキュームを接続し,オゾンナノバブル水の灌流を試みた。顎模型を基に作成したマウスガードではバキュームの吸引力でオゾンナノバブル水がマウスガード内に流入し,液体の漏洩は認められなかったが,複数の研究協力者の模型から作成したオゾンナノバブル灌流マウスガードは装着に問題はないものの,マウスガード辺縁からの液体漏洩が認められた。各社歯科用ユニット付属バキューム(長田電機工業社製,モリタ社製,ヨシダ社製)の最大吸引力でも漏洩が認められたことから吸引力が低すぎることが判明した。そこで,外付けの真空ポンプ(EDWARDS社製)を使用したところ,吸引力が上昇したことでマウスガード辺縁の漏洩が減少した。現在,漏洩の原因が判明したため,真空ポンプを使用した方法に変更している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
マウスガード辺縁からの液体漏洩をマウスガードの適合性不良による辺縁封鎖性に問題があると判断してしまい,マウスガードの作成方法の改善やマウスガードの材料の変更,漏洩部分に対するシーリング方法の模索などに時間を割いてしまった。歯科用バキュームの吸引力はほとんどの機器で一定であり,液体を還流させるほどの吸引力が無いことが判明した。現在は,吸引力の強い外付けの真空ポンプを使用することで改善できている。しかし,口腔内は複雑な構造をしているため吸引力を上げても完全に液体の漏洩を防ぐことは難しく,さらにマウスガードの改善をしているために研究に遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
現在までにマウスガードからの液体漏洩の対応策を見出すことが出来たため,今後は被験者を増やし検体数を増加させる予定である。しかしながら,現在,緊急事態宣言が出されていることから,被験者の確保を現時点で行うのは難しいため,緊急事態宣言が解除された際には段階的に被験者数を増やそうと考えている。今後はマウスガードの作成とオゾンナノバブル水使用前後の被験者の口腔細菌叢を比較解析し,オゾンナノバブル水のう蝕および歯周病予防効果を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウスガードからの液体漏洩の原因が判明するまで時間を要してしまったことにより,次年度使用額が生じた。現在,漏洩の原因は判明したため,被験者を増やし,オゾンナノバブル水灌流マウスガードのう蝕および歯周病予防効を確認する予定である。次年度使用額はオゾンナノバブル水使用前後の被験者口腔細菌叢の解析(メタゲノム解析)に充てる。
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