研究課題/領域番号 |
16K20714
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
下田 真梨子 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 助教 (10759400)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 中堅看護師 / 停滞 / 離職 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中堅看護師の「停滞」に着目し、看護職としての成長や発達が停滞している状態や、その状態に対して抱く思いを明らかにし、さらに中堅看護師の「停滞」から離職意思を抱くまでの過程の構造化を図ることである。これまで、全国の病床数200~500床の施設に従事する中堅看護師(臨床経験5年目~20年目)1666名を対象にWebにてアンケート調査を行った。調査内容としては、基本属性に加え、キャリアに関連する項目・離職意思・取り巻く環境・キャリアの停滞・停滞感について調査を行い、474名(回収率28.5%)から回答が得られ、439名(有効回答率92.6%)を分析対象とした。 本年度は得られたデータをもとに、中堅看護師の‘キャリアの停滞’‘停滞感’についてそれぞれの構成因子を明らかにするため因子分析を行った。キャリアの停滞は[仕事のやりがいが得られない状態][仕事経験が役立っていない状態][変化を望まない状態][昇進昇格の可能性が低い状態][希望する人生が見えていない状態]の5因子から構成されていた。停滞感は[見通し不全型の停滞感][挑戦性低下型の停滞感]の2因子から構成されていた。また、キャリアの停滞が停滞感に及ぼす影響について明らかにするために、重回帰分析を行った。[見通し不全型の停滞感]においては、キャリアの停滞である[やりがいが得られていない状態]や[昇進昇格の可能性が低い状態]であるほど停滞感を感じていた。[挑戦性低下型の停滞感]においては、キャリアの停滞である[希望する人生が見えていない状態]や[変化を望まない状態]や[昇進昇格の可能性が低い状態]であるほど停滞感を感じていた。 次年度は、明らかとなった構成因子をもとに共分散構造分析を行い中堅看護師の「停滞」から離職意思を抱くまでの過程の構造化を図る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケート調査票の作成に時間を要しており、当初の計画より予想以上に遅れを生じていたが、郵送によるアンケート調査ではなく、Web調査へ変更したため、データ入力作業時間を削除でき、遅れを短縮出来ており、現在は分析に取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
中堅看護師の‘停滞’について、明らかとなった構成因子をもとに共分散構造分析を行い中堅看護師の「停滞」から離職意思を抱くまでの過程の構造化を図る。また、結果をもとに学会での発表や論文作成に取り組んでいく。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査票の回収は郵送を想定していたが、回収期間の短縮やデータ入力作業の削除を考慮し、Webによる調査を実施したため郵送費が減額となっている。また本年度は研究成果について、学会や論文発表に至っておらず、残額が生じている。 次年度は、研究成果をもとに学会や論文発表を行い、協力が得られた施設へ結果の報告を郵送する。
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